野菜を巡って考えること

無農薬・有機野菜が宅配で届いた。既に知人より月2回、無農薬野菜を定期購入しているのだけど、さらに楽しんでみたくなったのだ。
安全で美味しい野菜というのには興味があるし、お任せでいろいろ届くというのも楽しい。

今回御願いしたのは埼玉の「はなふぁーむ」さん。無農薬であることに加え、例え有機肥料であっても無害ではないことを前提にできる限り少ない肥料で栽培されているそう。

お試しで届いた野菜を早速開封してみる。
びっくりするくらいたくさんの野菜!
にんじん、大根、さつまいも、たまねぎ、レタス、春菊、ほうれんそう、水菜、ルッコラ、サニーレタス、小松菜、トマト、いんげん、それにデイルまで。
有機野菜、無農薬野菜、といえばどうしても割高になるものだけど、これだけ入っていれば送料込みでもかなり親切なお値段という印象で嬉しくなる。
遠くからやってきた野菜はすこし疲れ気味のようだったが、水に放ってやるとピン!と元気を取り戻した。葉もの野菜の香りが強いのにも感動する。

次はもう少し近い、愛知県からの宅配野菜を試してみる予定。


----

以前より、食べものはできる限り国産のものを、と心掛けてきた。
食料自給率、食および農業文化・技術の支援、環境保護・里山保全。
毎日の食から見えてくるものは、多い。

無農薬、有機栽培野菜は、これらのことに加えて単純に旬の美味しいものをできるだけ自然の状態で楽しみたい、という気持ちもあっての選択だが、しかし自分の中ではまだすっきりしていないことも、ある。


・宅配であること。
宅配は便利だが、産地からわが家まで、自動車を走らせることが果たして妥当なことなのかどうか。送料はともかく、エネルギー節減の視点でみれば疑問がわく。できれば近郊で…と、大阪近辺からの直販を探してみるが、残念ながら近畿圏にめぼしいものは見当たらず。
近くのスーパー等で有機野菜を購入することは可能だが、直販のものと比較するとどうしても高いこと、また、有機JASマークには抜け道が多いことを考えるとそれもばかばかしい気がしてしまう。
いたしかたないとするべきか。

・安全と自然。
安全とは何だろう?自然とは何だろう?と思う。
無農薬野菜には、虫がついているのが自然で、当たり前という。
よく洗い、取り除けば大概はそれで大丈夫。そう納得して、私たちは安全な野菜を手にする。
でも、ただの昆虫と、害虫は違う。例えば、寄生虫、その卵。無農薬有機野菜は生食すべきではないという意見もあるくらいだ。
自然=安全、ではない。単に農家が楽をしたいという理由だけで農薬が使われるわけではないだろう。

また、文頭で今回の農家さんが有機肥料の弊害についても考えているようだということを書いたが、有機であろうと無機であろうと、栄養過多の畑は人間と一緒でもはや健康ではないらしい。
ちなみに、この考え方をさらに進めたのが「自然栽培」という方法。
健康な土壌に育つ植物には害虫もつきにくいことなどから、自然の循環が保たれていることを第一に考えているらしい。次回試してみようと考えている愛知県の農業グループが、この栽培方法を取り入れている。


・食の安定供給とは。
人類にとって、そもそもの食の安全というのが今なお「飢えからの解放」であることは忘れてはいけないと思う。添加物も、農薬も、人間を飢えから救うという意味では現実としてなくてはならないものなのだということ。
飢え死にするかも、というときに残留農薬を気にする人間は、おそらくほとんどいない。

日本の食料自給率は40%を下回ってしまったそうだが、この国を最大限に耕して食物の自給に取り組んだところで、養えるのは地下エネルギーを使って9000万人、使わなければ3000万人という試算もあるという。
農薬や有機・無機肥料の使用がここにどの程度影響するのかわからないが、「完全に使わない」となればさらに下がってしまうのだろうと思う。(そうならないよう日々研究されている農業関係の方がたくさんいらっしゃるのだと思うが。)

自分の納得できるものを、できる範囲で気持ちよく取り入れ、楽しむ。こういう選択肢を持ち得ることを、とても幸せに思う。
しかし、それと同時に世の中全体との調和についても思いを巡らす。そのことは忘れずにいたいと思う。

0 コメント:


 

Copyright 2006| Blogger Templates by GeckoandFly modified and converted to Blogger Beta by Blogcrowds.
No part of the content or the blog may be reproduced without prior written permission.